《感じてはいけない》《自分が感じたいように感じてはいけない》《特定の感覚、感情を感じてはいけない》

感情(気持ち)を感じない場合と、身体的感覚(痛み、空腹等)を感じない場合の2種類がある。
さらに、感情を感じない場合は、そもそも感情を全く感じない場合(抑圧)と、感情は感じるけれども、それを表現できない場合(抑制)の2種類に分かれています。

また、感情を感じない場合には、いかなる感情をも感じない場合と「男の子は泣いてはいけません(→「悲しみ」の抑圧)」「女の子が怒るなんてはしたない(→「怒り」の抑圧)」のように、「悲しみ」や「怒り」といったある特定の感情のみ禁止する場合との2種類がある(後者の方が多い)。

 

主な症状

  • 「怒り」「悲しみ」「恐れ」「喜び」「幸せ」を感じない
  • 自分の感情(気持ち)がわからない
  • 周りの人の感情に合わせてしまう(「あーそうよね」)
  • 人と同じ感情を感じてしまう(同一化)
  • 思考ばかりしている(感じるより、考えてばかりいる)
  • 周囲の出来事に対して、いつも第三者の立場で客観視している
  • 代理感情を使う(たとえば、「悲しみ」を抑圧して、その代わりに「イライラ」する。「怒り」を抑圧して、その代わりに「ニコニコ」する等)
  • 痛みや満腹感、空腹感、味覚(甘い、辛い)といった「感覚」を感じない
  • 摂食障害(《自分が感じたいように感じてはいけない。母親が望むように感じなければならない》というリミッティング・ビリーフによって自分の感情を抑圧している女性が、過食・嘔吐を繰り返すことによって、感情を抑え込んだことによるストレスを発散する)
  • 心身症、自律神経失調症
  • 「怒り」の抑圧:「胃痛」「神経性嘔吐症」「頭痛」「腰痛」「かゆみ」「不整脈(心臓関連)」「関節リウマチ」「突発性難聴」「失声」等
  • 「恐れ」の抑圧:「何も感じなくなる」「強迫観念」「強迫行為」「潔癖症」「恐怖症」「不安症」等
  • 「悲しみ」の抑圧:「自律神経失調症」「頭痛」等

 

刷り込みの場面

《感じてはいけない》は、自分自身が感情を我慢して抑え込む親によって刷り込まれることが多い(「人前で感情をあらわにして、取り乱してはいけません」)。
家庭によってはあらゆる感情の表出を禁止する場合もあるが、もっとも多いのは、ある特定の感情のみを禁止されていて、他の感情は許されている場合である(「男の子は泣いてはいけません(→「悲しみ」の抑圧)」「女の子が怒るなんてはしたない(→「怒り」の抑圧)」等)。

身体的な感覚を《感じてはいけない》は、しばしば乳児期の早期に刷り込まれるもので、強力に刷り込まれると精神病や深刻な問題となって現れる可能性がある(たとえば、空腹感を禁止された子どもが摂食障害になる等)。

  • 親から特定の感情を感じることを禁止されていた(「男の子は泣いてはいけません」「女の子は怒ってはいけません」「いつまでメソメソ泣いてるんだ」)
  • 親が感情的になる人を否定していた
  • 親のために感情を表すことを我慢した(「私が泣くと、病気のお母さんが辛くなるから」「寂しがると、お母さんに迷惑をかける」)
  • 親の感情の面倒をみてきた(母親がうつ病だったので、私はいつもニコニコして何でもないように振る舞った、親に心配かけないために、自分の気持ちを我慢した)
  • 感情を出すと抑えが効かなくなる自分に恐怖を感じた
  • 感情を出したときに笑われたり怒られたりした
  • いつも怒ってばかりいる短気な親が怖かった(「怒ることは悪いこと」「怒ることは人を傷つけたり、攻撃すること」だと思った)
  • いつも怒ってばかりいる短気な親が嫌だった(「私は絶対に怒らない」と決めた)
  • いじめや虐待を受けて、あまりの辛さから、すべての感情・感覚を抑圧する(感じないようにする)ようになった
  • 両親がありのままの感情を自然に表現しない人だった
  • 両親が幸福感を感じたり、ものごとを楽しんだりしない人だった